練習中のスタンディングスタート、正しくできていないとヤバイ理由

使用頻度が高い、スタンディングスタート
陸上競技の短距離種目では、スターティングブロックを使うクラウチングスタートが用いられます。クラウチングスタートは、股関節が深く曲がった状態から、その伸展する力を利用して、加速をしていく方法です。スピードがゼロの状態から、いち早くトップスピードに持っていくためのスキルですね。
このクラウチングスタートをマスターするにあたり、スタンディングスタートは上手くできているでしょうか?
立った状態なので、比較的簡単にスタートができます。スキル自体は、9割はクラウチングスタートと同じと言えるでしょう。しかし、このスタンディングスタートをなおざりにしている選手も多く見られます。練習のスタートを脱力して出てみたり、セットをしっかりしなかったりと、精度を欠くことも多いのではないでしょうか?
特に、技術を取得しやすい中学生や高校生で見られます。
練習内で何度も行う、スタンディングスタート。せっかくの練習の機会を失っているかもしれません。
正しい、スタンディングスタートを身に着けて、ライバルに差をつけましょう!
スタンディングスタートをマスターすべき3つの理由
①少ない力で、スタートの練習ができる
前脚の股関節が深く曲がっているクラウチングスタートは、大きなエネルギーを必要とします。
スタンディングスタートは、その角度が浅いため、エネルギー消費が少ないです。
極端な例ですが、地べたから立ち上がるのと、椅子から立ち上がるのをイメージしてください。椅子から立ち上がる方が楽な気がしますね。
この楽な状態で、スタートのスキルを磨くことができます。逆に言うと、スタンディングスタートが出来ないと、クラウチングスタートはもっと苦手かと思います。
スタートの基本技術はまず、スタンディングスタートで習得しましょう。
②後ろ足の引き出しをイメージしやすい
スターティングブロックを使わない分、後ろ脚の引き出しのスキルが求められます。スタートで、飛び出す方向を確認するのにぴったりです。
③使用頻度が圧倒的に多い
前述しましたが、練習で走り込みや、ウィンドスプリントなどを行う際は、ほとんどスタンディングスタートだと思います。何度も繰り返される動きなので、精度を高める必要があります。スタンディングスタートでのクセは、あからさまにクラウチングスタートでも現れます。
スタンディングスタートはSETで決まる

“位置について”の姿勢を正確にすることで、動作が変化します。

“位置について”の順序

①まっすぐ立つ
頭から足先まで1本の棒になったつもりでまっすぐ立ちます。このとき、腹圧を高める様にすると、動きがスムーズになります。②肩を後方にクルっと回し、リラックス
腕ふりはダイナミックに動かしたいですが、力みが出てしまいがちです。スタート前に肩をリラックスさせる様にしましょう。③後ろ脚を下げる
立位で、腹圧が高められたら、お尻の穴を閉める様に力を入れます。
後ろ脚を引くと一緒に、上半身を倒します。このとき、背中が丸まらない様にしましょう。また、目線は、2歩目を接地するあたりを見て姿勢を作ります。
腕は、片方を引いて構えても良いですが、画像の様にブランと落としてしまうのをおすすめします。実際のクラウチングスタートに近い動かし方にするためです。

いざスタート!

前脚でしっかりと地面を押す&腕を大きく振りダイナミックに1歩目を刻みましょう。
飛びだした瞬間に、腕の先から足の先まで一直線になっているとベストです。しっかりと力が伝わる感覚があるでしょう。

学校などのトレーニングで下が滑るという方は、おすすめの動かし方があるので、こちらを参考してください。

 

二次加速局面に上手くシフトするために、極端なリズムの切り替えをしてみましょう。
7歩は、大きくダイナミックに動かします。地面に接地する瞬間に強く踏み込みましょう。
そこからの7歩は、体を起こし、ピッチアップします。動画の音を聞いていただけると、その変化が分かると思います。
上手くできると、ピッチアップしたときに腰のあたりから、グイっと進む感覚があります。

スタートダッシュが上手くいかないというあなたは、まずはスタンディングスタートから見直してみましょう。
私も、高校2年生の冬に徹底的にスタンディングスタートに取り組みました。元々400mの選手なので100mのスピードを獲得したかったからです。
初めて10秒台に入る一つのきっかけになったと思っています。

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