あなたは100m向き?おさえておきたい距離選びのポイント

100m・200m・400mどれを選べばいい?
短距離走で選択できる種目は3つあります。100m走・200m走・400m走です。スプリンターはこのどれかを専門種目として取り組んでいます。「100mをやっているが、なかなか伸びない」「本当はどの距離が得意なんだろう」とお悩みの方も多いと思います。実際、私も現役時代は悩み続けてきました。今回は、スプリンターの距離選びのポイントをご紹介します。
それぞれの種目特性と、楽しみ方、選び方
100m~400mまで、短距離走といえど距離はかなり異なります。事実、400mは、100mの4倍の距離を走らなくてはなりません。私の専門種目は、400mです。中学3年生~大学4年生までは400mをメインに取り組みました。その間、100mや200mで全国大会に出場したこともあります。また、社会人になってからは主に100mをやっていました。全国的にみると、100m~400mまで、すべて走ることのできる選手(マルチスプリンター)もいますが、ごく少数です。どの距離においても強くなる秘訣と、楽しめる要素を語ることができるので、お任せあれ。
100m走について

特徴:唯一、直線のみのスプリント種目。選手が横一線でスタートをする。魅力:陸上競技の花形種目。100mで優勝した=その試合で1番速いヤツの称号を得る。

求められる能力:スタートダッシュの速さ、レスポンス、瞬発力、度胸、冷静な判断

100mは最も競技人口の多い種目ですが、最も先天的な要素に左右されやすいと言っても過言ではありません。持って生まれた筋肉の質や、体格、幼少期をどう過ごしたかなど、とても重要となります。しかし、短距離走の中では、シンプルで伸ばしやすい種目です。なぜならば、直線だけだからということと、距離が短いからということです。コーナー走のテクニックや、持久力を必要としません。鍛える能力が分かり易く、感覚をつかめば、記録はグンと上がります。「自分には100mの才能が無い」と思うのは時期尚早です。私も、100mは中学・高校とまともに取り組んだことがありませんが、大学生のときにある憧れの選手を必死にマネすることをきっかけに、感覚をつかみました。速くなるととても楽しく競技に取り組むことができます。
こんな選手におすすめ:全員
なぜならば、100mはすべての競技の基礎となる種目でもあるからです。100mが速くないと、400mの記録にも限界があります。走り幅跳びや三段跳びも助走スピードが必要です。投擲の世界トップの選手は100mを10秒台で走ります。全員取組むべき種目ですが、日本のTOPに上り詰めるのは、1番難しい種目です。100mの攻略法はまた紹介します。
200m走について

特徴:コーナーから直線走にスムーズに切り替えるテクニックが必要

魅力:100mが得意な選手と400mが得意な選手がぶつかる間の種目

求められる能力:トップスピード、スピード持久力、コーナリングスキル
200mは、コーナリングの上手さが問われる種目です。(ボルトくらい速いと遠心力で外に振られてもお構いなし)100mのトップスピードが速い方が有利ですが、直線に入ってからのスピードの低下を抑える持久力も求められます。全国大会を見ても、100mと400mの選手が対戦するのが楽しみですね。私自身、実は1番苦手意識のある種目でした。どれくらいの力配分で前半を走るか、後半をどう落とさずにフィニッシュに持っていけるかなど、試行錯誤が必要です。ただ、日本人のスプリントで1番世界トップに近づいたのも200mです。技術スポーツが得意な日本人向きな種目かもしれません。
こんな選手におすすめ:コーナーが好き
日本では、学校のトラックで練習をすると自然とコーナー走が上達します。コーナーがキツいところを走るからです。また、直線に出るときの遠心力の使い方と、直線でいかにトップスピードを保てるかが練習ポイントです。
400mについて

特徴:トラック1周を高いスピードレベルで回る過酷な競技魅力:選手によって戦略が違う、レース時間が長いのでドラマチック

求められる能力:トップスピード、スピード持久力、省エネ走法

400mって短距離なの?と良く聞かれました。短距離走です。100mのトップスピードをいかに長い時間持続させることが出来るかがポイントです。そのため、エネルギーをできるだけ消耗しない「上手い」走り方が求められます。また、運動時間が40秒を超えるため、インターバルトレーニングなど持久力の練習が求められます。選手によってギアを切り替えるポイントが違うため、見ていると面白いです。練習好きにはもってこいの種目ですね。私は、中学3年生~大学生、社会人5年~6年目は400mを主戦場としていました。100mと400mでは、冬季にこなすべき練習も異なってきます。レースで不安にならない様、日頃から練習量も必要ですね。
こんな選手におすすめ:練習の鬼
伸ばさなければいけない能力は、たくさんあります。自分を追い込める&計画的に練習ができる選手におすすめです。100mが遅いから距離を伸ばそうとする傾向も見られますが、その場合でも100mを伸ばす練習もしっかりと取り組みましょう。400m選手でも、チームの4×100mRのメンバーには選ばれるスピードは欲しいですね。
ベースとなる100mをしっかり伸ばそう
仮に、400mをやっているとしても、100mのスピードが根本的に必要です。400mでインターハイに出るためには、男子で48秒前半、女子で56秒あたりが目安になります(地域によって異なる)そのためには、男子で100mを10秒台、女子で12秒中盤は必須です。400mが専門の選手でも、100mを伸ばす練習も取り組んでいきましょう。
短距離種目には、それぞれの醍醐味があります。リレーもあるのも魅力ですね。自分の特性や強みに合った距離をチョイスしましょう。

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